地震が来たらお風呂に水をためる?子育て家庭の備えのカタチ

地震が来たらお風呂に水をためる?子育て家庭の備えのカタチ

お風呂に水をためるのはなぜ? 子どものいる家庭の防災を考える

日本は地震や台風など災害が多い国。いつ “ライフラインが止まる” かわかりません。
そのとき、「お風呂に水をためておく」というのは、昔からよく言われてきた備えのひとつ。
ただ、そう聞いたから…ではなく、“何のために”なのかを、子どもとの暮らし視点で整理しておきたいと思います。


なぜ「お風呂に水をためる」が防災になるの? — 水の備えとしての意味

・断水になったときの“生活用水”を確保

災害時に水道が止まると、飲み水だけでなく、トイレ、洗い物、手洗い、拭き掃除など「水の用途」がすべてアウト。
お風呂に水をためておくことで、トイレ用の流す水、体や手を洗う水、拭き掃除や洗濯の水など、ライフライン復旧までの“つなぎ”として使いやすくなります。 (東京ガス ウチコト)

・大量の“ストック水タンク”を用意しやすくする

ペットボトルをたくさん備蓄するのもよいですが、家族の人数が多いと収納や管理が大変。
お風呂のお湯(または水)なら、一度に100〜200リットル前後。少ない備蓄で“まとまった水量”を確保できるのがメリットです。 (バスリエ株式会社)


お風呂に水をためる“メリット”と、“想定できる使い道”

メリット/使い道どう役立つか
トイレの水断水時でも流せる(※排水が正常に機能する場合)
洗い物/手洗い/体拭き(※綺麗な水の場合)手や体が清潔に保てる
掃除や洗濯衛生状態の維持に役立つ
災害直後の“余裕時間”給水車が来るまでの数時間〜数日をしのげるストック水

特に子どもがいる家庭では、急な汚れの対応が起きることも多く、水か必要になる場面が増えると考えられます。
もし使わなくても、家族が安心できる“精神的な備え”になるのもメリットのひとつです。


⚠️ でも注意!水をためるのは万能じゃない — リスクと留意点

一方、ほかに大量の水をストックできる場合は「お風呂に水をためるのは万能ではない」「むしろ避けたほうがいい場合もある」という防災のプロや専門家からの指摘もあります。 (FNNプライムオンライン)

  • 小さな子どもがいる家庭は“溺水事故”の危険
    たとえ浴槽に数 cm の水があっても、小さな子どもは溺れるおそれがあります。災害時は家の中もぐちゃぐちゃになっていたりして監視が難しいので、特に要注意。
  • 排水管や下水の破損リスク
    震災で配管が壊れている場合、トイレのために水を使おうとしても使えない、あるいは逆流や漏水の危険があります。無条件に使うのではなく「安全が確認できたら」を前提に。
  • 水の衛生問題
     いつも使う蛇口の水と違い、浴槽の水は“残り湯”であれば細菌や皮脂が含まれている可能性があり、飲料用・調理用には向きません。使う用途は「トイレ/掃除/洗濯などの生活用水」に限定にします。

子どものいる家庭が「備え」として考えるなら — ポイントと工夫

もしお風呂に水をためるなら――特に子どもや小さなお子さんがいる家庭では、以下のような工夫や“落とし穴回避”をおすすめします。

  • 浴室のドア、浴槽のふたをロック
    子どもが誤って落ちないよう、浴槽に近づかない工夫が必須です。チャイルドロック機能などを利用しましょう。
  • 大量ストックに頼らず、少量ずつ備える
    お風呂水だけでなく、ペットボトルの水+バケツ・ポリタンクなども併用し、「飲料用」「生活用」「トイレ用」を分けて使えるようにストックできると◎。
  • 備蓄は“いつも使える水”も並行
    お風呂水はあくまで「とりあえず」。給水タンク、水を使わないトイレ用品、ウェットシートなども備えましょう。 (東京ガス ウチコト)
  • 家族で話し合い・共有
    まずは大人同士で「お風呂に水がためてあるから子どもを近づけない」と情報共有を。そして、「子どもは触らない」「お風呂水は飲まない」「トイレには使わない」など、家族でルールを決めておきましょう。

あひるママ家の備え

筆者のあひるママ家では、地震や台風の際には「とりあえずお風呂に水をためる」ことにしています。
飲用水はペットボトルで買い置きしていますが、生活用水は折りたためるタンクなどでは量に限界が・・・。

普段は子どもたちの安全のため浴槽に水をためない(お風呂が終わったらすぐ抜く)ので、水をためて浴室のドアをロック。何事もなければ、追い炊きで温めてお風呂に入ります。心配でピリピリするときも、あたたかいお風呂に入るとホッとできるしね。
余震などの心配が続く場合は、また水をためる、という具合。生活を続けながら、できる限りの備えをするようにしています。

子どもが生まれ、成長するにつれ必要なものもどんどん変わっていくなかで、少しずつ家庭の災害対策を見直しています。
子どもも大きくなってきたし、飲用水ストックも増やそうかな🤔


“ためれば安心”じゃなく、“家庭に合う防災”を考えよう

「地震が来たらまずお風呂に水をためる」――それは昔からある知恵。でも今は、水源・住環境・家族構成も多様です。
だから、“みんなにとっての正解”はなくて、あなたの家族にとっての妥協点と安心のバランスを探してみてください。

災害時にお風呂に水をためることは、特別な準備や道具を使わずできる心強い備え。
でもそれだけに頼らず、備蓄水や防災グッズ、水の使い分け、家族の安全意識……いろいろな “備えの層” を作ることで、安心感に繋がります。

子どものいる家庭だからこそ、ちょっとした知恵と確認で、「いざというとき」に備えておきたいですね。


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