食べ終わったみかんの皮で「みかん湯」してみよう

食べ終わったみかんの皮で「みかん湯」してみよう

良い香りに包まれる、冬のぽかぽか入浴法

寒い季節、食卓に必ず登場するみかん。
実は“皮”がとても優秀で、江戸時代から入浴剤として使われてきました。
家にあるみかんの皮で手軽につくれる「みかん湯」は、香りもやさしく、親子で楽しめる冬の定番です。

この記事では、家庭でできる安全なつくり方と、みかん湯の働き、使うときの注意点をまとめます。


みかん湯とは?

みかんの皮に含まれる「リモネン」という精油成分には、血行促進やリラックス作用があるとされています。
国立健康・栄養研究所や花王の入浴研究などでも、柑橘類の香気成分が血流を高め、温熱効果やリラックスに効果が期待できます。

入浴剤として市販される「陳皮(ちんぴ)」も、みかんの皮を干したもの。家庭でも似た効果をゆるやかに体験できます。


家でできる「みかん湯」の作り方

自宅で食べたみかんの皮で十分。化学製品なしの手作り入浴剤が作れます。
ただし、そのまま湯船に入れると散らばるので、ガーゼやお茶パックを使うのが便利です。

材料

・みかんの皮:1〜2個分
・ガーゼ袋/だしパックなど
・よく乾かす場合はキッチンペーパーとざる

つくり方

  1. 皮をよく洗う
     農薬やワックスが気になる場合は、食器用中性洗剤を薄めて軽く洗い、しっかりすすぐ。(農研機構では家庭での残留農薬低減には“流水で丁寧に洗う”ことが推奨されています。)
  2. 乾燥させる(おすすめ)
     日当たりの良い場所で1〜2日干すか、電子レンジ600Wで1分 → 裏返して30秒など、軽く乾燥させると香りが引き立ちます。
  3. 袋に入れる
     ガーゼ・だしパックに皮を入れ、湯船に浮かべる。
  4. みかんの香りを楽しむ
     皮を揉みすぎると果汁が出て刺激になることがあるので、軽く温めるくらいでOK。

子どもと一緒に手作り&エコ

残り物の皮を活用することで、経済的かつ環境にもやさしいみかん湯。
みかんの皮の準備は、子どもと一緒に楽しめる“ちいさな季節あそび”にもなります。

みかんの皮を乾かしたり、袋に詰めたりする工程を子どもと一緒にやってみましょう。
皮の色や香りの変化を観察するのは、ちいさな科学実験のようでワクワク。
湯船に入れた瞬間ふわっと広がる香りも、「自分で作ったおふろ」という特別な体験につながります。


みかん湯の効能

みかんの皮が持つ成分は、人の体にやさしく働きます。

血行促進

柑橘系の香り成分リモネンは、皮膚温の上昇に関わると考えられています。
花王の入浴効果研究でも、香りによるリラックスや血流改善効果があります。

リラックス効果

みかんの香りが脳の嗅覚中枢に働き、交感神経(緊張側)を抑え、副交感神経(リラックス側)を優位にする作用があります。

乾燥肌の保護

みかんの皮にはペクチンやフラボノイドが含まれ、保湿を助けるはたらきがあるとされます。
(薬効として過度に期待するのではなく、「肌がつっぱりにくく感じる」程度の実感が目安。)


みかん湯をするときの注意点

  • 肌が敏感な人には刺激になることも
     特に肌が弱い人や乳幼児の場合は、柑橘の成分リモネンが刺激になる場合があります。皮を直接湯船に浮かべず、様子を見ながら使うのが安心。 (バスリエ)
  • 浴槽の素材に注意
     柑橘成分がプラスチック製の浴槽にダメージを与えるという情報も。使用後すぐに浴槽をきれいに洗うことを忘れずに。 (ブランニューリフォーム)
  • 柑橘アレルギーや肌荒れのある人は慎重に
     肌に赤み・かゆみが出たら使用を中止し、湯の上がりにきれいに洗い流す。
  • 網目の細かい袋を使う
     袋の網目が粗いと皮が出て、浴槽排水の詰まり原因になることも。

子どもと使うときの注意点

みかん湯は手軽だけれど、刺激がゼロではありません。
赤ちゃん・幼児とは特に慎重に使います。

1歳未満は使用を避ける(皮膚が極めてデリケート)
・1歳以上でも、最初は“皮1個分”などごく少量から
・湿疹や傷がある日は使用しない
入浴後は軽くシャワーで流してから保湿

これは、柚子湯・みかん湯などで共通する注意点です。
柑橘の刺激成分(リモネン等)が皮膚にしみる場合があります。


どんなときにおすすめ?

  • 冬の寒い夜、体をよく温めたいとき
  • 子どもと一緒に「季節を楽しむおふろ時間」にしたいとき
  • 入浴剤や香料を使わず、気分を変えたいとき
  • 湯冷めしにくく、リラックスした入浴時間を過ごしたいとき

まとめ🍊みかんを食べたら思い出して

みかんの皮をただ捨てるのはもったいない!
食べ終わったみかんの皮だけで、簡単にできる天然の入浴法。みかん湯は、香りとあたたかさが組み合わさって、リラックスと血行促進をやさしく後押ししてくれます。

皮膚への刺激を避けながら、適量・短時間で楽しむのがコツ。
冬のおふろ時間を少し特別にしてくれるみかん湯、試してみませんか?


参考サイトまとめ